コラム

COLUMN

おじ捨て山

2025.09.26

院長コラム東京編

昔姨捨山と言う物語があった。年老いたおばあさんを背中に担いで山に捨てると言う物語である。最近あるところから聞いたのであるが、最近では役に立たなくなり、病気がちになってきた男は、奥さんと場合によっては家族からも見捨てられ、老人ホームに強制的に入れられるそうである。現役でお金を稼いで家計を支えてきた間は、ご主人として重宝されるが、働けなくなった瞬間、家事も掃除もできず、家庭の役に立たなくなり、挙げ句の果てに認知症や病気になったりした場合、奥さんは簡単に旦那を見限るのである。
特に専業主婦で家計の全てを旦那の給料に頼ってきた場合、奥さんの変わり身は早いと言う。私はこの現代の老年問題を「おじ捨て山」という。
お金を稼げず、無用となった男ほど惨めなものはない。どれだけ仲の良い様に見えていた夫婦であっても、簡単にゴミの様に捨てられるのである。
切実で切ない問題であるが、奥さんも自分が生き抜くための思い切った決断なのであろう。ところが逆に旦那が奥さんを捨てるケースはあまりなく、健気に最後の見取りまで自分で行うか、それが叶わない場合は、奥さんを殺して、自分も死ぬのである。
男はなんと忠実な存在であろうか、と心から感じる次第である。

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