コラム

COLUMN

「知的障害者」という言葉

2023.06.02

院長コラム東京編

知的障害者という言葉をマスコミを通して、耳にすることがある。先日、「高橋源一郎の飛ぶ教室」というラジオ番組で、彼のお友達の1人の話として、話題が語られていた。そもそも、知的障害者とは、誰のことか、何を意味するのか、何を持って障害の有無が決まるのか、議論はいろいろである。通常、知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳未満)に現れて、日常生活の中でさまざまな不自由が生じること、という説明がされている。ということであれば、知的機能の障害を誰かが判定しており、しかも一般の人間社会の取り決めが理解できない守れない(不自由を感じる)、という事象を指しているわけであるので、一般の(大多数の)ひと、が基準になるのであろう、と考えられるわけである。
しからば、将来ヒトが進化したと仮定すればどうであろうか。イーロンマスクがニューロリンクで開発しているように、AIをヒトの脳に埋め込むことで、ハイブリッド脳が実現すれば、進化するヒトが実現するであろう。その時代には、今生きる私たちは、現在「知的障害者」と言われる方々も含め、押し並べて「知的機能の障害」を有する人たちという一群とみなされるであろうと考えられる。
「知的機能の判定」は、ヒトの進化と関連する重要なテーマである。

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