山の寿司屋
2022.08.16
院長コラム東京編
蓼科の別荘へ行くと、決まって行きつけの寿司屋へ顔を出す。
蓼科の別荘は、原則ケータリンで、選択肢が少なく、飽きがくるのである。
ホテルが暇な時は、ホテルのレストランの利用が可能になる。
ホテルのレストランは、なかなか美味しいので、できればホテル内で食事をしたいが、オンシーズンなどは、そう言うわけにもいかない。女神湖周辺には、蕎麦屋程度しかなく、結局麓まで下りることになる。
私どもの使う寿司屋は、蓼科から原村へ抜ける間にある。小さな一軒家であるが小川が流れ、雰囲気は良い。
この寿司屋は、築地から直送で毎日仕入れており、美味しいいろんな種類の魚が食べられるのである。
カウンターに座ると、見かけないご老人が寿司をにぎっている。なんでも大将のお父さんで、東京で寿司職人であったそうである。
道理で、二人の息もぴったりで、見ていて微笑ましい。あのように親子が隣り合って寿司をにぎることができるのは、どう言う気持ちか、大将に尋ねたかった。
大将のにぎりは、普通のスピードで丁寧、オヤジさんは、スピード感がありリズミカル。親子で全く違うのである。にぎりのDNAは、客の目ではわからないところにあるのであろう。
奥さんが、「すし飯は、オヤジさんが少しちっちゃい感じがする」と言った時、オヤジさんの目が光った。
この時の目は職人そのものの目であった。
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