コラム

COLUMN

紅白の梅

2022.03.23

院長コラム東京編

奥さんが西尾に作ったゲストハウスには立派な日本庭園がある。ちょうどこの季節、梅が咲いている。2本の紅白の梅で、100年ぐらい経っているので、枝ぶりなど味があるのである。白梅は、一本の枝に、紅梅をつけているのである。白梅に、紅梅が咲いているのである。どうも白梅は劣勢遺伝のようなもので、近くに紅梅があると、その花粉で紅梅が咲いてしまうようである。

最近であれば、ゲノム編集によって新たな品種を生み出すという技術を使い、野菜や観葉植物などが市場に出てきている。このような技術のはしりというか自然現象によりもたらされたものが、上記の紅白梅であろう。
デザイナーベイビーという言葉があるが、再生医療学会でもデザイナー細胞という新しい再生医療技術が出てきた。再生医療は、もともと人間が持っている細胞組織臓器を元のように作り出すという技術であるが、元のようにではなく、さらに機能を増強するとか、機能を抑制するとか、操作を加えた細胞をデザイナー細胞という。私は、スーパー臓器とかスーパー生命体とかいう名前で呼んでいるが、機能を自由自在にコントロールした臓器や生命体が、今後新たな時代には登場してくるであろう。

紅白梅は、その原始現象なのである。

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