自由診療保険
院長コラム東京編
だいぶ前にブログかコラムで「再生医療のような自由診療にも民間保険が商品を作るべき」というお話を書いたと記憶している。
昨年私どもが主催するPRP幹細胞研究会の世話人会の食事の際に、私が上記の内容を発言したら、多くの先生方が興味を示された。その席で、「この世話人会で分科会をつくり、話し合いましょう」ということになっていた。
その後あまり音沙汰がないな、と思っていたら、前回の世話人会での食事会で、東海大学佐藤先生から、「再生医療学会が音頭を取って、PRP治療の民間医療保険導入へのフレームを作ることになりましたよ」というお話を聞いた。
この研究会では佐藤先生をはじめ、再生医療学会前理事長岡野先生ともお話ししていたので、学会主導で「PRP治療の民間医療保険導入」という制度が実現しそうである。
そもそも日本は、国民皆保険という素晴らしい制度があるおかげで、先端技術であっても、安く受けられるという恩恵を国民は享受してきた。同時に、高齢化社会の到来によって、社会保険制度は財政的に危機的状態を迎え、医療費削減が医療体制の崩壊を招きつつある。今後は、保険診療と自由診療をうまくブレンドし、医療財政崩壊を食い止めるのが良いのではないか、と考える人が多い。
問題は、自由診療に対する保険を民間保険会社が積極的に手掛けないために自由診療の質の担保ができないことにある、というのが私がこれまで行ってきた主張である。そしてその解決策として、学会が中心となり、自由診療の品質管理を担保し、民間保険会社のリスクヘッジをするのはどうか、と述べてきた。今回の再生医療学会はPRP治療に対する民間医療保険導入に一歩を踏み出したわけである。これによって、いかがわしい自由診療は一掃され、質の高い自由診療を国民は安心して受けることができるようになる。
そして、この流れが、日本の医療システムのイノベーションにどのようにつながるかは、万能AIの出現がないとわからないが、それほど遠い未来ではなさそうである。
2025/7/20(日)
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