コラム

COLUMN

治験と命

2023.10.30

院長コラム東京編

テレビドラマで医療現場が度々登場する。最近のドラマで、進行がんで余命いくばくもない患者が、たまたま新薬治験のことを知り、これに命を賭けたのである。いっとき生きる希望が彼に生命力を与え、見違えるように元気になったのであるが、精密検査で治験対象外であることがわかり、生きる希望を失ってしまった。
治験では、適応が厳密に決められている。したがって誰でも受けられるものではない、というのが社会常識である。しかし、万が一この薬が効いて、彼が助かったら、と考えると、薬を使わないという医師の判断は、間違っていたかもしれない、ということになる。
おそらくこのような場面に遭遇した医者は、大きな葛藤を抱えるのでないであろうか?
「あの薬を使っていたら、患者は助かっていたかもしれない。私が行った判断は殺人行為にあたるのではないか?」
このように考えると、医学医療の進歩は、人の命の代償の元に成立してきたということになるわけである。今後AIが発達し予測医療が正確に行えるようになれば、治験のあり方そのものが根本的に変わることになるかもしれない。

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