コラム

COLUMN

脳と幹細胞点滴

2022.07.13

院長コラム東京編

前項で述べたが、幹細胞は、関節内注射のように局所投与だけではなく、点滴で全身投与を行うことができる。

幹細胞は、点滴した場合、ホーミング効果という機能で、障害を受けた組織や臓器に収束することが知られておる。

たとえば脳梗塞で、脳に障害がある場合、幹細胞を点滴すると、血管を通って、脳の病変部位に到達、この病変部位に幹細胞が生着し、サイトカインを出したり、細胞が神経細胞に分化したりすることで、脳神経修復が起こる。

こうして、手足の機能不全やアルツハイマー、パーキンソン症状が改善するのである。

 

脳に対する幹細胞点滴は、脳梗塞後後遺症で特に研究と臨床が進んでいる。

脳梗塞は、急性期、亜急性期、慢性期と分けられ、亜急性期に対する再生医療臨床研究は、体勢幹細胞、胚性幹細胞共に実施されている。

しかし、私どものクリニックへ来院される患者様はほとんど慢性期の患者様で、発症後数ヶ月から数年経過している。

このような患者様への幹細胞治療は、かなり難しく、現状リハビリとの併用が推奨されている。

 

私どものクリニックでは、鼻から脳への成分移行に着目し、幹細胞(塊)液の鼻腔内噴霧治療を併用している。

幹細胞を培養する過程で、培養液には大量のサイトカインや成長因子が放出されるので、この培養液を採取し、治療に用いるのである。

具体的には、鼻から培養液をスプレーで噴霧すると、嗅球という部位から脳内へ直接吸収され、成分が到達するのである。

これは、 nose-to-brain pathway と呼ばれており、すでにいくつかの鼻腔内スプレーが製造されている。

私どものクリニックでは、後述するように幹細胞塊培養液で鼻腔内噴霧をおこなっている。

 

最近では、アルツハイマー。パーキンソン病、各種神経変性疾患、自己免疫性神経疾患など、幹細胞治療の適応は広がりつつあるが、有効性、投与方法、投与量については、まだまだ不明な点が多いのが現状である。

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